不動産クラウドファンディングの運営会社はどう選ぶ?
不動産クラウドファンディングを見ていると、
「利回りが高いから」
「広告でよく見るから」
「大手企業が運営しているから」
といったところに、つい目がいきますよね。
私ももちろん、利回りやファンドの内容は見ます。
でも、不動産クラファンを見ていて結構気になるのが、
「これ、どんな会社が運営しているんだろう?」
というところです。
不動産クラウドファンディングでは、どんなファンドなのかと同じくらい、「誰が運営しているのか」も見ておきたいポイントだと思っています。
2026年7月31日時点で、国土交通省が公表する不動産特定共同事業者は全国で277事業者あります。
これだけ事業者があると、
「許可を取っている会社なら、どこも同じようなもの?」
「許可事業者なら安心なの?」
と思うかもしれません。
でも、ここは少し分けて考えたいところです。
今回は、不動産特定共同事業の「許可」ってそもそも何なのか、そして私が運営会社を見るときに気になるポイントをまとめてみます✍️
不動産クラウドファンディングの運営には「許可」が必要?
一般的な不動産特定共同事業を行うには、不動産特定共同事業法に基づき、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受ける必要があります。
※小規模不動産特定共同事業は登録制など、制度上の例外があります。
主な許可要件には、
宅地建物取引業の免許
事業の種別に応じた資本金
良好な財産的基礎
公正かつ適確に事業を遂行できる人的構成
事務所ごとの業務管理者の配置
基準を満たす契約約款
などがあります。
たとえば、第1号事業を行う場合の資本金要件は1億円以上です。
つまり、
「クラファンやりたいです!」と会社が自由に始められるものではない
ということ。
まず一定の要件を満たして、許可を受ける必要があります。
許可申請ではどんなことが確認される?
許可申請は、資本金や資格だけ確認して終わり、というものではありません。
国土交通省が公開している事前相談時の資料を見ると、
許可申請書
定款
契約約款
財務関係書類
中長期の収支見込み
業務管理者の資格関係書類
社内規程・マニュアル
反社会的勢力やマネー・ローンダリングへの対応体制
想定する不動産特定共同事業の内容
など、かなり幅広い資料が挙げられています。
さらに、インターネット上で契約手続きを行う「電子取引業務」を行う場合には、基本方針や実際の画面がわかる資料、関連する社内規程なども確認対象になります。
ここだけ見ると、結構しっかりした審査なんだな、という印象ですよね。
実際に許可申請に関わって感じたこと
私は仕事で、不動産特定共同事業の許可申請に関わったことがあります。
これがもう、長期決戦でめちゃくちゃ大変でした(笑)
事業をどう運営するのか、社内ではどんな体制をつくるのか、契約約款をどうするのかなど、基本的なこと以外にも確認・整理することはかなり多いです。
さらに、許可をする国土交通省や都道府県とのやり取りもあり、提出したら終わりではなく、確認や質疑応答を重ねながら進めていきます。
実際に経験してみると、「許可取得ってこんなに大変なんだ……」と思いました(笑)
それだけいろいろな確認を経て取得する「許可」ですが、許可を取っていることと、その会社のファンドが安全かどうかは別の話。
ここは分けて考えたいところです。
では「許可事業者=安心」なの?
ここがこの記事で一番伝えたいところです。
許可制度では、事業者が不動産特定共同事業を適切に行うための一定の要件や体制などが確認されます。
でも、
「許可を取得している=その会社が組成するファンドの安全性が保証されている」
ということではありません。
許可を取得したあとに組成される、ひとつひとつのファンドの収益性や元本まで保証する制度ではないからです。
不動産クラウドファンディングは投資なので、対象不動産の価値や賃貸状況、売却状況、事業計画などによって、予定どおり分配されなかったり、元本割れしたりする可能性があります。
なので私は、
許可を持っている? → まず確認する
許可を持っているから安心? → それだけでは決めない
という感じで見ています。
→ 「不動産クラウドファンディングは元本割れする?リスクと安全性を初心者向けに解説」
同じ許可事業者でも違いがある
国土交通省の一覧を見ると、大手不動産会社からクラウドファンディングを中心に展開する企業まで、さまざまな事業者が掲載されています。
同じ不動産特定共同事業者でも、
扱う不動産
ファンドの組成方法
想定利回り
運用期間
劣後出資割合
収益の考え方
情報開示
運用実績
などは違います。
だから私は、「許可を持っているか」だけで終わらず、その先も見るようにしています。
不動産クラファンの運営会社を見る7つのポイント
① 許可・登録の内容
まず確認したいのが、不動産特定共同事業法上の許可・登録です。
国土交通省では、不動産特定共同事業者や小規模不動産特定共同事業者などの一覧が公開されています。
また、不動産特定共同事業には第1号から第4号までの種別があります。
ここは少し複雑なので、別の記事で詳しくまとめます。
→ 「第1号・第2号・第3号・第4号の違いとは?」
② 運営会社の情報
サービス名だけでなく、そのサービスを実際に運営している会社も見てみます。
たとえば、
会社概要
設立時期
資本金
事業内容
不動産事業の実績
上場・非上場
確認できる財務情報
など。
私もサービスを見つけると、運営会社の会社概要までつい見に行きます(笑)
「有名なサービスだから大丈夫」
で終わらず、
「このサービスの後ろには、どんな会社がいるんだろう?」
まで見てみると、そのサービスの特徴も見えやすくなります。
③ これまでの運用実績
運用実績も見ます。
たとえば、
これまで何件くらいファンドを運用してきた?
累計募集額は?
償還実績は?
運用期間の延長や償還遅延等は?
元本毀損は?
などです。
ただし、
「今まで問題がなかった=これからも問題が起きない」
ではありません。
過去の実績も、あくまで判断材料のひとつとして見ています。
④ 情報開示のわかりやすさ
ここ、私は結構大事だと思っています。
「想定利回り○%!」
だけではなく、
なぜその利回りなのか?
どんな不動産なのか?
どんなリスクがあるのか?
まで読んで理解できる情報が出ているか。
ファンドを見るときは、こういうところも気になります。
数字が魅力的なのも大事。
でも、その数字の理由までわかるかも大事だと思っています。
⑤ ファンドの組成内容
そして、運営会社が同じでも、ファンドごとに条件は違います。
確認したいのは、
対象不動産
取得価格や評価に関する情報
運用期間
想定利回り
収益計画
優先劣後方式
劣後出資割合
借入れの有無
など。
結局ここでも、
「○○という会社だから投資する」
ではなく、
「今回はどんなファンド?」
まで見るのが大事です。
⑥ 優先劣後方式と劣後出資割合
不動産クラウドファンディングでは、「優先劣後方式」が採用されることがあります。
一定の損失まで事業者側の劣後出資部分から負担する仕組みですが、
優先劣後方式がある=元本保証
ではありません。
また、劣後出資割合だけで安全性を判断しないようにしています。
⑦ 問題が起きたときの情報発信
これも私はかなり見たいところです。
通常どおり運用されているときだけでなく、
「何か起きたときに、どう対応する会社なのか?」
ということ。
たとえば、
投資家へどのように知らせる?
必要な情報を適切に開示している?
問い合わせ窓口は整備されている?
などです。
投資なので、何も起きないことだけを前提にするのではなく、何か変化があったときの対応も含めて運営会社を見るようにしています。
「大手だから」「高利回りだから」だけで選ばない
不動産クラウドファンディングのサービスを選ぶとき、
大手だから安心。
利回りが高いからお得。
人気だから大丈夫。
と、ひとつの条件だけで判断するのは避けたいところです。
私が見たいのは、
「運営会社」と「ファンド」の両方。
運営会社については、許可・これまでの実績・情報開示などを見る。
そのうえで、実際に投資するファンドについて、物件・収益計画・リスクなどを見る。
どちらか片方だけではなく、両方セットで見るようにしています。
まとめ|許可は「確認したいポイントのひとつ」
不動産特定共同事業の許可を取得するためには、資本金や財産的基礎、人的構成、業務管理者、契約約款など、一定の要件を満たす必要があります。
なので、
「適切な許可・登録を受けているか」
は、運営会社を見るときにまず確認したいところです。
でも、
許可事業者=すべてのファンドが安全
という意味ではありません。
私自身は、
許可・運営会社・実績・情報開示・対象不動産・収益計画・リスク
などを見ながら、
「この会社の、このファンドはどうなんだろう?」
と考えるようにしています。
会社だけでも、ファンドだけでもなく、両方を見る。
RE:MEでは、運営会社を比較するときも「有名だから」「大手だから」だけではなく、その会社がどんな事業者で、どんなファンドをつくっているのかまで見ていきたいと思います。

