不動産特定共同事業の許可とは?第1号・第2号・第3号・第4号の違いをわかりやすく解説

不動産特定共同事業の許可とは?

不動産クラウドファンディングの運営会社について調べていると、

「不動産特定共同事業 第1号・第2号」
「国土交通大臣許可」
「東京都知事許可」

といった表記を見かけることがあります。

さらに国土交通省の「不動産特定共同事業者許可一覧」を見てみると、

第1号・第2号・第3号・第4号・電子取引業務

と、いろいろ並んでいます。

初めて見ると、

「この数字、いったい何が違うの?」

ってなりますよね(笑)

しかも第1号、第2号、第3号、第4号と並んでいると、

「数字が大きいほうが上なの?」

とも見えます。

でも実は、第1号〜第4号は会社のランクなどではありません。

その会社が、不動産特定共同事業の中で「どの業務を行うのか」を表したものです。

私自身、仕事で不動産特定共同事業の許可申請に関わったことがありますが、このあたりの制度って、法律の言葉で読むと結構わかりにくいんですよね。

今回は第1号〜第4号の違いを、「結局、誰が何をするの?」というところから、できるだけ普通の言葉でまとめてみます✍️


そもそも「不動産特定共同事業」とは?

不動産特定共同事業とは、簡単にいうと、

投資家から出資を募り、その資金をもとに不動産の売買や賃貸などを行い、そこから生まれた収益や利益を投資家に分配する事業です。

私たちがインターネットで利用する「不動産クラウドファンディング」の多くも、この仕組みを利用しています。

→ 不動産クラウドファンディングとは?初心者にもわかりやすく仕組みを解説

そして、この事業の中で「誰が、どんな役割をするのか」によって、第1号〜第4号に分かれています。


第1号・第2号・第3号・第4号の違い

ここが今回の本題です。

細かい法律用語はいったん置いておいて、まずはざっくり整理するとこんな感じ。

種別主な役割初心者向けにいうと
第1号不動産特定共同事業契約を締結し、不動産取引を行い、収益等を分配投資家から出資を集めて事業を行う主体
第2号第1号事業に関する契約締結の代理・媒介第1号の契約を仲介する
第3号特例事業者から委託を受け、不動産取引に係る業務を行うSPC型で不動産運用を担う
第4号特例事業に関する契約締結の代理・媒介SPC型で投資家との契約を仲介する

では、一つずつ見ていきます。


第1号事業|投資家と契約し、不動産事業を行う

一般の投資家にとって、一番イメージしやすいのが第1号事業です。

第1号事業では、事業者が投資家と不動産特定共同事業契約を締結し、出資を受け、その資金などをもとに不動産取引を行います。

そして、不動産の賃貸や売買などから得られた収益・利益を投資家へ分配します。

かなりざっくり書くと、

投資家
↓ 出資
第1号事業者
↓
不動産を取得・運用・売却
↓
収益・利益
↓
投資家へ分配

というイメージです。

不動産クラウドファンディングを利用していると、比較的よく目にするのがこの第1号です。


第2号事業|契約締結の代理・媒介を行う

第2号事業は、

第1号事業に関する不動産特定共同事業契約の締結の代理・媒介

を行う事業です。

……と言われても、ちょっとわかりにくいですよね(笑)

かなり簡単にいうと、

第1号事業者と投資家との契約を仲介する役割

と考えるとわかりやすいです。

そのため、第1号と第2号の両方の許可を取得している会社もあります。

2026年7月31日時点の国土交通省の一覧では、

第1号:219事業者
第2号:212事業者

となっていて、両方の欄に○が付いている事業者も多数あります。


第3号・第4号は「特例事業」がポイント

ここから少しだけややこしくなります(笑)

第3号と第4号を理解するには、まず「特例事業」という仕組みを知っておくとわかりやすいです。

2013年の法改正によって、一定の要件のもと、特別目的会社(SPC)を利用する「特例事業」が導入されました。

この仕組みでは、不動産事業を行う主体をSPCとすることで、他の事業から切り離す「倒産隔離型」のスキームを構築できるという特徴があります。

ここでは、

特例事業者(SPC)

と、

第3号事業者・第4号事業者

が登場します。


第3号事業|特例事業者の不動産取引を担う

第3号事業者は、特例事業者から委託を受けて、不動産取引に係る業務を行う事業者です。

つまり、

SPCが事業主体
↓
第3号事業者が不動産の取得・運用・売却などに関する業務を担う

という関係です。

第1号との違いは、「誰が事業主体なのか」。

第1号では許可事業者自身が事業を行いますが、特例事業ではSPCが事業主体になります。

ここまで分かれば、第3号はひとまずOKです。


第4号事業|特例事業の契約締結を代理・媒介する

第4号事業者は、特例事業に関する不動産特定共同事業契約の締結の代理・媒介を行う事業者です。

かなり簡単に整理すると、

第3号 → 不動産側の業務
第4号 → 投資家との契約側の業務

というイメージです。

第3号・第4号は、第1号型のクラウドファンディングとは少し仕組みが違うので、最初は、

「SPCを使った特例事業に関係する許可なんだ」

くらいに覚えておけば十分だと思います。


第1号〜第4号は「ランク」ではない

ここ、結構大事です。

第4号だから第1号より上

という意味ではありません。

1→2→3→4と数字が大きくなるほど、安全性や会社の信用力が高くなるわけでもありません。

あくまで、

「その会社が、どの種類の不動産特定共同事業を行えるのか」

を表しています。

なので運営会社を見るときも、

「第何号を持っている?」

だけではなく、

「その許可で何をしている会社なの?」

と見るほうが、私はわかりやすいと思っています。


許可によって資本金要件も違う

実は、第1号〜第4号では必要な資本金も異なります。

種別資本金要件
第1号事業者1億円
第2号事業者1,000万円
第3号事業者5,000万円
第4号事業者1,000万円

こうして見ると、

「じゃあ資本金要件が一番大きい第1号が、一番安心なの?」

と思うかもしれません。

でも、これも別の話。

資本金が大きい=その会社のファンドが安全

という意味ではありません。

資本金は、あくまで許可要件のひとつです。


許可には資本金以外の要件もある

不動産特定共同事業の許可は、資本金だけ用意すれば取得できるものではありません。

主な許可要件として、

宅地建物取引業の免許
種別に応じた資本金
良好な財産的基礎
公正かつ適確に事業を遂行できる人的構成
基準を満たす契約約款
事務所ごとの業務管理者の配置

などがあります。


「国土交通大臣許可」と「都道府県知事許可」は何が違う?

ここも結構勘違いしやすいところ。

国土交通省の許可一覧を見ると、

金融庁長官・国土交通大臣許可業者
国土交通大臣許可業者
都道府県知事許可事業者

などに分けて掲載されています。

でも、

「大臣許可のほうが知事許可より格上」

という意味ではありません。

基本的には、事務所を設置する区域などによって許可行政庁が異なります。

なので、

知事許可だから信用力が低い

という見方をするものではありません。

これも「名前の強そう感」で判断しないところですね(笑)


「電子取引業務」の○は何?

国土交通省の一覧には、もうひとつ「電子取引業務」という欄があります。

電子取引業務とは、インターネットを利用して不動産特定共同事業契約の締結などを行う業務です。

ここで覚えておきたいのが、

「第1号=クラウドファンディング」ではない

ということ。

第1号〜第4号という事業の種類と、

インターネット上で契約手続きなどを行う電子取引業務

は別の項目です。

これを知っておくと、国土交通省の一覧がかなり読みやすくなります。


国土交通省の一覧はこう読む

たとえば、

第1号 ○
第2号 ○
第3号 ―
第4号 ―
電子取引業務 ○

となっている会社なら、

「第1号・第2号に該当する事業を行う許可を持ち、電子取引業務も行う事業者」

と読むことができます。

一方、

第3号 ○
第4号 ○

となっている事業者なら、特例事業に関する業務を担う事業者だと理解できます。

こういう一覧って、最初は「○がいっぱいある……」となりますが(笑)、意味がわかると意外と面白いです。

運営会社を調べるときにも使えるので、私は結構好きです。


2026年7月31日時点では何社ある?

区分事業者数
第1号219
第2号212
第3号76
第4号72
電子取引業務121
不動産特定共同事業者 合計277

※1社が複数の許可区分を持つことがあるため、第1号〜第4号を合計しても277社にはなりません。また、国土交通省は一覧について、情報更新までにタイムラグが生じる可能性があると案内しています。


まとめ|数字ではなく「何をする許可なのか」を見る

不動産特定共同事業の第1号〜第4号は、会社のランキングではありません。

ざっくり整理すると、

第1号
→ 投資家から出資を受け、不動産事業を行う

第2号
→ 第1号事業の契約締結を代理・媒介する

第3号
→ 特例事業者から委託を受け、不動産取引に係る業務を行う

第4号
→ 特例事業の契約締結を代理・媒介する

という違いです。

そして、インターネット上でクラウドファンディングを行う場合には、「電子取引業務」も見ておきたいところ。

私も運営会社を見るときは、

「第何号を持っている?」

だけではなく、

「その会社は、どんな立場でこの事業をやっているんだろう?」

と見るようにしています。

許可の数字だけだと難しそうに見えますが、「誰が何をするの?」に置き換えると意外とシンプルです。

RE:MEでは、こういう一見難しそうな制度も、なるべく普通の言葉に置き換えてまとめていきたいと思います。

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この記事を書いた人

不動産業界での実務経験をもとに、不動産クラウドファンディングの仕組みやリスク、サービス選びについて、初心者にもわかりやすく解説しています。

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